炭酸泉の研究論文抜粋枠
■人工炭酸泉療法により足部潰瘍の改善が得られた閉塞性動脈硬化症の症例について
下肢動脈の慢性閉塞性疾患の根本的治療には血行再建術、薬物療法、理学療法があり、末梢循環障害による潰瘍は循環が改善すれば、潰瘍は軽快すると考えられる。
人工炭酸泉浴による理学的治療は、組織循環の30%増加を認め、約4週の局所浴により効果が表れるなど、臨床的にも有効な末梢循環障害の基本的治療であり、長期的に見ても有望なものとされている。
今回の症例では、いずれも血行再建術不可、薬物療法も効果不十分であったため、人工炭酸泉療法を行い、足部潰瘍および疼痛が消失し、退院時には独歩可能までになった。
潰瘍を合併した虚血肢において人工炭酸泉療法は有用な理学療法の一手段と考えられた。
“平野総合病院2004年03月論文”より引用
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■人工炭酸泉浴へ期待される効果 −入浴施設利用者へのアンケート調査より−
本研究では、これから明らかにしていかなければならないことを明確にするために、人工炭酸泉に期待される効果を広くスクリーニングする目的で、人工炭酸泉入浴施設の利用者を対象に、 アンケート調査を実施した。
回答者(99人)が事前に炭酸泉に期待した効能は、「痛みの軽減」 (25人)、「健康増進」(24人)、「疲労回復」(17人)の順であった。
一方、実際に入浴して実感した効能は、「疲労回復」(22人)、肌がすべすべになる、傷の治りが早いなどの「肌への効果」(22 人)、「肩こり」(17人)、「睡眠」(15人)、「痛みの軽減」(14人)、「血行・代謝」(13人)であった。
これまで、炭酸泉の生理作用に関する研究は、主に医学的なアプローチが中心であったため注 日されてこなかったが、実感した効能として「肌への効果、美容上の効果」を「疲労回復」と並んで最も多くの回答者があげている。
人工炭酸泉研究会では2011年に頭髪(頭皮)の洗浄の際に 利用される炭酸泉の効果についてハイスピードカメラを用いて明らかにされ、今後、美容業界で も更なる普及の可能性がある。
炭酸泉の主たる生理作用が皮膚血管拡張作用であることからも、 この分野の研究が今後期待される。
“愛知東邦大学人間学部 2012年6月 論 文”より引用
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■人工炭酸泉が生体の血液動態に及ぼす作用の持続効果
人工炭酸泉浴の入浴負荷により皮膚血流は増加したが持続性は認められなかった。
それに対し,StO2は2時間後も高値を維持した。
人工炭酸泉浴では,炭酸ガスの経皮進入によりpHが酸性に傾きBohr効果による酸素供給促進作用が得られる。
この効果により組織中に通常の状態に比べて深部組織のStO2が上昇する。
今回の実験からこの効果が持続することが明らかとなった。
閉塞性動脈硬化症や褥瘡などの循環障害に対する人工炭酸泉浴による改善効果においては,持続するStO2上昇作用がその一役を担っているのではないかと考えられる。
また,非浸水部においても同様にStO2の上昇が起こったことから患部を直接,入浴負荷しなくても改善効果を得られると予想される。
“朝日リハビリテーション専門学校” 2007年05月論文”より引用
※StO2:深部組織酸素飽和度
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■人工炭酸泉浴の創傷治癒促進効果
創部の完治に要した日数は,さら湯群で35.4±0.9日,人工炭酸泉浴群で23.8±0.4日であり、人工炭酸泉浴群は,さら湯浴群に比べ創部の完治に要した日数が67.2%にまで短縮した。
創部の面積は,さら湯群で,手術時8.1±1.1cm2、1週間後4.2±0.8cm2、2週間後1.3±0.3cm2、3週間後0.5±0.2cm2、4週間後0.1±0.1cm2、人工炭酸泉浴群で,手術時8.0±0.7cm2、1週間後3.5±0.4cm2、2週間後0.8±0.2cm2、3週間後0.1±0.1cm2となり、創傷面積の縮小率は人工炭酸泉浴群で有意に促進された。
“吉備国際大学保健科学部理学療法学科 2007年05月論文”より引用
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■ラットを用いた人工炭酸泉(寒浴)の急性膝関節炎に対する効果の実験的検討
人工炭酸泉の寒浴は淡水による寒浴に比べ、表面温度、深部温度の低下が小さいにも関わらず、淡水浴群よりも人工炭酸泉浴群で浮腫形成率が小さい傾向が認められた。
寒冷浴による血管透過性低下および組織代謝抑制作用が、浮腫形成の抑制、細胞の酸素需要の低下を起こし、さらに人工炭酸泉による血流促進作用、組織酸素分圧上昇作用により、炎症の治癒過程に良好な効果をもたらしたと考えられた。
本実験結果より、人工炭酸泉の寒浴は、関節の急性炎症に対して有効な治療法であることが強く示唆された。
“吉備国際大学保健科学部理学療法学科 2006年04月論文”より引用
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■人工炭酸泉への入浴時間の違いが関節可動域に与える影響
本研究の目的は人工炭酸泉への入浴時間の違いが足関節最大背屈角度に影響を与えるかどうかを明らかにする事とした.被験者は男性 8 名であった。
始めに足関節を底屈位から最大背屈位まで 1 deg/s の速度で受動的に背屈させながら,受動トルク,足関節背屈角度を測定した。
その後,人工炭酸泉(CO2 ≧ 1,000 ppm,33℃)またはさら湯(33℃)に右下腿を 5 分,10 分,20 分間入浴する試行を異なる日に行い,再び受動背屈中の測定を行った。
入浴後,足関節最大背屈角度は 10 分間の人工炭酸泉およびさら湯浴後有意に増加し,最大背屈位の受動トルクは人工炭酸泉およびさら湯浴後有意に増加した(P < 0.05)
また,人工炭酸泉入浴の 3 試行では,全入浴試行後に皮膚血流量が有意に増加したが(P < 0.05),さら湯試行では変化しなかった。
以上の結果から,姿勢固定での 10 分間の中性水温の人工炭酸泉浴およびさら湯浴により足関節最大背屈角度は増加することが明らかになった。
“中京大学大学院体育学研究科 2013年01月論文”より引用
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■高濃度人工炭酸泉下肢局所浴が自律神経活動に及ぼす影響について
人工炭酸泉浴による交感神経抑制効果は全身浴だけでなく,局所浴でも得られる事が本研究により示唆された。
人工炭酸泉下肢局所浴は,交感神経活動の抑制を図る事ができる容易な方法として,交感神経過活動に苦しむ患者様に対して広く活用できる可能性が示唆された。
“医療法人社団博愛会木阪病院リハビリテーション科2012年08月論文“より引用
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■人工炭酸泉浴におけるWarming-up効果の検討
warming−upとして人工炭酸泉浴と淡水浴とを比較した結果、人工炭酸泉浴では、静脈血検査より高い血液濃縮傾向、糖・脂質代謝活性を示す傾向にあり、 血中乳酸など運動後の疲労代謝産物の蓄積がより少ない傾向が観察された。
また 、運動中の筋電図積分値では、定張力負祷において効率のよい運動を実施していることが観察できた 。
以上より、淡水浴に比べて人工炭酸泉は、水泳のwarming−up効果が高いことが示唆された。
“鹿児島大学論文”より引用
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